今回は「衿肩あき」と「繰り越し」について学びました。
「衿肩あき」は「衿を付けるためにあらかじめ裁ってあけたところ」の事です。
見頃用に切った布のちょうど真ん中を約10センチ切ります。
この切ったところが「衿肩あき」です。
切れている所を首側にし肩にのせ、前は中に少し折り込み、衿を付けて仕立てます。
「繰り越し」は衿を抜いて着るためにとります。
そのため、衣紋を抜かない男性には必要ありません。
衿肩あきを首側にし肩にのせた時、繰り越しをとらないと後ろ首に衿がぴたりとつくようになります。↓
衣紋を抜くため、女性の着物の場合は後ろを下に引きます。
引いた分 後ろが長くなるので、前と同じ長さにするためにつまみます。
この時のつまんだ分(=下げた分)が所謂「繰り越し」です。
大体5分〜一寸が平均と言われています。
態々つまんで同じ長さにするなら、最初から衿肩あきの位置をずらしたり、後ろ首のところを切れば解決しそうですよね。
しかしそうすると、洗い張りしても見頃の位置を変えることができません。
今の仕立て方を守ることで、洗い張りをした時に汚れや傷みを見て、前と後、右と左を変えることができます。
布を大切にしてきた生活の知恵ですね👘
繰り越しが少なくても衣紋をぐっと抜くことはできますが、肩山のラインがぐっと後ろにずれます。
その着姿を好む方もいますが、その場合は後ろのおはしょりの処理を丁寧にする必要があります。
繰り越しを大きめにとると、後ろのおはしょりの ダボつきが減ります。
以上、「衿肩あき」と「繰り越し」についてでした😊